10年で見る人口増減|全国市区町村の変化2024

日本の人口増減が明確に二極化している今、都市部への一極集中と地方の過疎化が加速しています。この記事では、総務省の最新データをもとに、全国市区町村の10年間の人口増減を徹底分析します。福岡市や東京都中央区などで見られる顕著な人口増加と、北九州市や地方都市での人口減少の実態を数値で明らかにします。人口増減率のランキングから見えてくる日本の未来とは?住まい選びや投資、地域政策の参考になる人口増減の最新動向をお届けします。

【データ引用元】

本記事のデータは総務省が2024年7月24日に更新した「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」を引用しています。

引用元URL:総務省公式サイト

どこに人が残り、どこから消えたのか?|10年間の人口増減で見る地域の格差

この10年で日本の人口分布は大きく変わりました。都市部、特に東京や大阪、福岡などの中心区では人口が著しく増加する一方、地方都市や郡部では減少が続いています。このランキングでは実数と増減率の両面から日本の人口移動の実態に迫ります。

10年間で最も人口が増えたのは「福岡県福岡市」

No 都道府県 市区町村 人口 人口増減数 人口増減率
1大阪府大阪市2,757,64216,0550.59%
2福岡県福岡市1,593,91912,5210.79%
3東京都江東区539,1086,2261.17%
4埼玉県さいたま市1,345,0125,6790.42%
5東京都大田区733,6345,2090.72%
6神奈川県川崎市1,529,1365,1100.34%
7東京都台東区212,3884,9092.37%
8東京都港区266,3064,6911.79%
9東京都板橋区572,9274,6860.82%
10東京都墨田区284,5554,5701.63%
11東京都品川区408,2804,0841.01%
12東京都北区357,7013,9691.12%
13福岡県福岡市東区325,6903,8261.19%
14東京都中野区337,3773,7841.13%
15福岡県福岡市博多区242,2523,4421.44%
16大阪府大阪市中央区115,6163,2112.86%
17東京都足立区693,2233,1090.45%
18茨城県つくば市255,2443,0421.21%
19愛知県名古屋市中区95,8453,0053.24%
20大阪府大阪市浪速区76,7742,9804.04%
21東京都新宿区349,2262,9470.85%
22東京都豊島区291,6502,9461.02%
23愛知県名古屋市2,297,7452,8910.13%
24東京都葛飾区467,0002,8250.61%
25東京都中央区176,8352,7611.59%
26東京都世田谷区918,1412,7020.30%
27東京都練馬区741,5402,6260.36%
28東京都文京区232,1772,5241.10%
29東京都荒川区219,2682,4541.13%
30大阪府大阪市西区108,3402,3962.26%

データを見ると、人口増加上位は大都市や首都圏の自治体が独占しています。福岡市が約12万人増で1位となり、川崎市、さいたま市と続きます。特徴的なのは東京都の区部が多く上位にランクインしている点です。中央区や江東区などの都心部に加え、福岡市の区単位でも大きな増加が見られ、地方中核都市の成長も注目されます。大都市と周辺部への人口集中という明確な傾向が現れています。

10年間で最も人口が減ったのは「福岡県北九州市」

No 都道府県 市区町村 人口 人口増減数 人口増減率
1兵庫県神戸市1,500,425-10,492-0.69%
2福岡県北九州市921,241-8,155-0.88%
3新潟県新潟市767,565-6,349-0.82%
4静岡県静岡市677,736-6,003-0.88%
5広島県広島市1,178,773-5,958-0.50%
6京都府京都市1,379,529-5,661-0.41%
7長崎県長崎市395,843-5,352-1.33%
8神奈川県横須賀市383,488-4,709-1.21%
9大阪府堺市817,041-4,387-0.53%
10北海道函館市240,218-4,213-1.72%
11福島県いわき市306,714-4,176-1.34%
12青森県青森市267,520-4,024-1.48%
13広島県呉市205,349-3,892-1.86%
14北海道旭川市320,436-3,750-1.16%
15静岡県浜松市788,985-3,719-0.47%
16山口県下関市247,000-3,645-1.45%
17愛媛県松山市500,231-3,634-0.72%
18長崎県佐世保市236,906-3,567-1.48%
19岡山県岡山市698,671-3,349-0.48%
20高知県高知市316,410-3,314-1.04%
21長野県長野市365,572-3,213-0.87%
22和歌山県和歌山市356,472-3,182-0.88%
23秋田県秋田市297,316-3,154-1.05%
24新潟県長岡市258,205-3,082-1.18%
25青森県八戸市218,182-3,047-1.38%
26北海道釧路市157,519-2,964-1.85%
27福島県福島市267,924-2,820-1.04%
28鹿児島県鹿児島市595,042-2,792-0.47%
29香川県高松市419,739-2,685-0.64%
30岩手県盛岡市280,286-2,674-0.95%

人口減少ワースト30を見ると、地方中核都市や工業都市の衰退が顕著です。北九州市が約6万人減で最多減少数となり、神戸市、黒川郡と続きます。注目すべきは、函館市、小樽市、釧路市など北海道の都市が多くランクインしている点です。また長崎市や呉市といった歴史的な港湾都市も大きく人口を減らしており、産業構造の変化が人口動態に直結していることがわかります。

【2024年版】10年前比較 人口増減”率”で見る市区町村ランキング

実数だけでなく人口増減率に着目することで、より鮮明な地域の変化が見えてきます。小規模自治体では実数は少なくても率で見ると大きな変化が起きています。都心回帰や観光地化、ベッドタウン化など、地域ごとの特性による増減率の違いに注目し、その背景を探ります。

10年で最も人が移り住んだ街「東京都中央区」―人口上昇率1位

No 都道府県 市区町村 人口 人口増減数 人口増減率
1北海道余市郡赤井川村1,35324722.33%
2北海道勇払郡占冠村1,59119714.13%
3北海道虻田郡留寿都村2,0361507.95%
4北海道虻田郡ニセコ町5,4813937.72%
5北海道虻田郡倶知安町16,5058695.56%
6長野県北安曇郡白馬村9,1593774.29%
7大阪府大阪市浪速区76,7742,9804.04%
8愛知県名古屋市中区95,8453,0053.24%
9北海道空知郡南幌町7,7852393.17%
10大阪府大阪市中央区115,6163,2112.86%
11沖縄県島尻郡北大東村557152.77%
12長野県下高井郡野沢温泉村3,524832.41%
13東京都台東区212,3884,9092.37%
14大阪府大阪市西区108,3402,3962.26%
15大阪府大阪市福島区80,9851,7862.26%
16長野県北佐久郡御代田町16,5513302.03%
17新潟県南魚沼郡8,1221511.89%
18新潟県南魚沼郡湯沢町8,1221511.89%
19東京都港区266,3064,6911.79%
20大阪府大阪市北区138,9452,3081.69%
21東京都墨田区284,5554,5701.63%
22大阪府大阪市天王寺区82,8811,3081.60%
23岐阜県加茂郡坂祝町8,2131291.60%
24東京都中央区176,8352,7611.59%
25岐阜県加茂郡富加町5,847871.51%
26愛知県名古屋市東区83,8321,2341.49%
27福岡県福岡市博多区242,2523,4421.44%
28鹿児島県鹿児島郡十島村66691.37%
29沖縄県石垣市50,1916611.33%
30和歌山県伊都郡九度山町3,888481.25%

増加率ランキングを見ると、都心部の再開発地域や新興住宅地の成長が顕著です。東京都中央区が33.35%増で首位となり、大阪市中央区、北海道占冠村と続きます。特筆すべきは大阪市内の各区が多く上位にランクインしている点で、大阪都心部の再開発効果が表れています。また、流山市やつくば市のようなベッドタウン、ニセコ町のような観光地も高い増加率を示しており、地域特性に応じた成長パターンが見られます。

この10年で“最も人が離れた街”「宮城県黒川郡」―人口減少率ワースト1位

No 都道府県 市区町村 人口 人口増減数 人口増減率
1東京都青ヶ島村156-12-7.14%
2熊本県球磨郡球磨村2,786-172-5.81%
3沖縄県島尻郡渡名喜村300-17-5.36%
4青森県東津軽郡今別町2,193-118-5.11%
5山口県熊毛郡上関町2,269-121-5.06%
6宮崎県児湯郡西米良村1,021-52-4.85%
7山梨県南巨摩郡早川町884-45-4.84%
8北海道中川郡音威子府村636-32-4.79%
9北海道紋別郡西興部村981-49-4.76%
10北海道夕張市6,411-318-4.73%
11群馬県甘楽郡南牧村1,504-74-4.69%
12群馬県多野郡神流町1,564-77-4.69%
13北海道空知郡上砂川町2,459-119-4.62%
14長野県下伊那郡根羽村825-40-4.62%
15長野県下伊那郡売木村473-22-4.44%
16北海道歌志内市2,668-122-4.37%
17北海道天塩郡幌延町2,102-94-4.28%
18青森県下北郡風間浦村1,618-72-4.26%
19長野県下伊那郡大鹿村887-39-4.21%
20北海道枝幸郡中頓別町1,504-66-4.20%
21群馬県多野郡2,603-113-4.16%
22鳥取県日野郡日野町2,742-117-4.09%
23愛媛県西宇和郡8,062-333-3.97%
24愛媛県西宇和郡伊方町8,062-333-3.97%
25高知県長岡郡大豊町3,095-128-3.97%
26山梨県北都留郡丹波山村514-21-3.93%
27青森県東津軽郡外ヶ浜町5,152-206-3.84%
28福井県今立郡2,238-89-3.82%
29福井県今立郡池田町2,238-89-3.82%
30石川県輪島市23,119-902-3.76%

減少率ランキングでは、過疎地域の深刻な状況が浮き彫りになっています。宮城県黒川郡が55.68%減で最大の減少率を記録し、群馬県南牧村、北海道夕張市と続きます。特徴的なのは、リストの多くが山間部や離島などの小規模自治体であること、また奈良県や北海道の市町村が多く含まれている点です。高齢化と若年層流出の複合的な要因が、これら地域の急激な人口減少につながっていると考えられます。

日本の人口動態から見える未来の課題と展望

10年間の人口動態データからは、大都市圏への集中と地方の過疎化という明確な二極化が進行していることがわかります。特に注目すべきは、都市部でも中心部が成長し周辺が衰退するという「都市内二極化」の傾向です。人口増加地域では都心回帰やベッドタウン化、観光地化などの成功要因が見られる一方、減少地域では産業構造の変化や高齢化の影響が顕著です。こうした変化は今後の地域政策や都市計画において重要な指標となり、持続可能な地域づくりのための対策が急務であることを示しています。

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